FanFic 12⚔️ ⚠️

あたたかく、そして心地良い【パンウォ】

20200726


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以下本文

こちらの作品には微量ながらモブウォが含まれます。全年齢向けとなっていますがキスはしておりますのでご注意ください。
とっても健全でとってもかわいいパンウォを書きました。とってもかわいい。
暴言・暴行を含む場合がありますが助長する目的ではありません。
あくまで二次創作です。
原作者様を侮辱する目的等はございません。

 どうかしたの、と声をかけられて気を戻した。長い金髪の少女──ミコト様は、自身の食事を中断してこちらを伺い、パーンとポロンも私の様子を見ていた。少し考え事をしていたせいで、私の手が止まっていたようだった。手元に置かれている皿は、ひとくちふたくち食べた程度のままで、全くと言っていいほどに食事は進んでいなかった。
「お腹空いてない? それとも体調悪い?」
「い、いえ! そんなことは……」
 いけない、余計な心配をかけさせてしまった。すぐに食事を再開する。その様子を見て姫はまだ何か言いたそうではあったものの、結局何も言わずにまた食べ始めた。きっと隠されたのが彼女には気に入らないのだろう。とはいえやはり、あまり言いたくはない。
 別に何か、異常があるわけではない。心配事がひとつあったくらいで、それは彼女やパーンやポロンに関係するところでもない。巻き込まぬよう私だけで解決する必要がある、というだけなのである。
 後ろのほう、テーブル2つ分ほど先。3人程度の男からの視線。不敵に笑いながら何かを話し合っているのが聞こえる。先はそれが気になって、食事が疎かになってしまっていた。かなり不快だが、ターゲットがミコト様じゃあないだけ、まだ良いと言えよう。
 さてどうしたものかと思考を巡らせつつ、食事を終える。
「ウォーレンス、もし具合悪いなら……」
「いえ、全くもって問題ありません、お気になさらず」
 姫はまだ心配そうな表情で見ている。
 ごちそうさまと立ち上がったパーンがこちらを見下ろして言う。
「……俺はもう部屋戻るけど、お前は?」
「っあ、ああ……そうか……」
 では私も戻ろうと立ち上がり付いていく。例の奴らのほうをちらり見てみれば、案の定というか、こちらを目捉えてにやついていた。
 部屋の扉を開けて中に入る。小さめのテーブルとソファが1つ。そして1人用のベッドが2人分。その片方に彼が腰をかけ、くつろぐように息を大きく吐いて横たわる。
「……お前は、気付いてるのか……?」
 何とは言及せずに問う。わからないのであれば、気づいていないのであれば、それでいい。彼が、なんのことだと聞き返したので、なんでもないとだけ返答して、私ももう片方のベッドへと向かう。だが、間を開けて彼はまた口を開いたのだ。
「……顔が良いと苦労するな」
「ッな……!」
 先の彼の発言は、ただとぼけただけであった。勘の良いパーンにはやはり気付かれていたから、部屋に戻るときに私に声をかけたのだった。彼は私の怒りを扇動するように、はんと鼻で笑って口を噤み目を閉じる。


 パーンの名前を呼ぶと、薄く眠っていたのだろうか、間延びした声で返事をされる。ミコト様の様子を見てくるとパーンに伝えれば彼は、過保護だなとだけ言って欠伸を見せた。
 廊下に出て、彼女の泊まる部屋へ向かう。奴らについて姫の事はあまり心配する必要はないとは思っているが、万一の事がある。もし出会す事があれば威迫しておくなりすれば仲間にも手を出すまい。そう考えると、こちらから探し出して先に対処しておくのがいいだろうか。
「んむッ!?」
 いけない、背後をとられていた。というよりは、完全に私からは死角だった。突然に口元を塞がれ、即座に脇下から拘束され動きを封じられてしまう。
「考え事かい、お兄さん?」
「んん! はあっ、ちょ……やめ……!」
 体格の良い男によって抵抗もままならぬ状態で、死角の方へと引き摺り込まれていく。離せと出来る限り暴れてみるがなかなかに背後の相手の力が強い。思うままに長座させられる。
「暴れないでくれ、美しい顔が台無しだ」
 完全に動きを封じるように、私の脚の上に座った男は、すり、と私の頬を撫でて不敵に笑う。そしてその手で顎を固定し、顔を近づけ、唇を合わせる。
「んん゛!!!」
 余った左手が、服の上から私の胴を撫でる。最悪な気分だ。
 唇の隙間を広げて、男の舌が侵入する。それを噛んで拒絶してやればすぐに、ばっと離れてくれた。
「ッた……」

 ウォーレンスの様子と、自分の発言を省みつつ廊下を歩く。
「過保護、か……俺もだな……」
 食事の時、ウォーレンスがやけにそわそわと落ち着かない様子だったから、なんだろうかと観察してみれば、彼の後ろのほうの席になにやら不審な男たちがいるのにはすぐに気が付いた。奴らは彼をにやにやと眺めているのだった。さっきは少し馬鹿にする発言をしたが、正直なところウォーレンスが心配で結局彼を探しに来てしまった。飯を食うときだけの、肴にしたというだけであればいいのだが──まあそれももちろん、彼にとってみれば不快ではあろうが。
 小瓶が落ちている。手にとって拾ってみれば、ああこれは、嫌な予感が的中したとでも言うべきか、性的興奮を誘発するもの──所謂、媚薬というものだろう。そしてこんな夜にわずかに聞こえた声を辿ってみれば、食堂で見た奴らに抑えられたウォーレンスを発見する。彼は、無理矢理であろうが、男にキスをされているところだった。かと思えば男は勢い良くウォーレンスから離れて、自分の口元に手を添える。なるほど、舌を噛まれたな。
「おい、小瓶が落ちてるぞ」
「ん?」
 俺の声に反応して、奴らがこっちを向いた瞬間に、内1人の男に槍先を突きつける。宿屋で武器を使うのは御法度だが、脅しにはなる。部屋を出るときに持ってきておいてよかったと思った。
「なにしてる」
 さっさと退けと睨みつければ、男どもは両手を上げてウォーレンスから離れる。解放されたウォーレンスの腕を、ぐいっと引っ張って立ち上がらせ抱き寄せる。怪我などは特になさそうだ。
「戻るぞ、ウォーレンス」
「ッあ……ああ……」
 緊張気味に上がった肩は、少し震えているような気がした。
 部屋に戻るなりウォーレンスは、備え付けられた小さな洗面台で口を洗う。繰り返して行うのが気になって、お前、と声をかける。綺麗好きなのはそのせいなのかと問うと、悩んだように間を開けてから、どうだろうなと返答される。
「今までああいうことはあったのか?」
 聞いてみれば、実際にはあのように大胆なことは少ないと言う。大体は観察してくるだけだとか、文や菓子を贈られたり、というぐらいだそうで、旅の最中では殆どなかったのだと油断していたみたいだった。そして、少し言いづらそうにして彼は付け加える。
「……雑技団にいた頃に、ファンと名乗る男に襲われかけたが、あれは至る前に団の先輩が助けてくれたな……。あとは、城で……襲われかけて、その頃指導していた後輩に……助けられた」
 情けない話だが、と自嘲して自分のベッドへ向かう。
「寝れるか?」
「……なんだと思ってるんだ。寝られる、問題ない」
 余計な発言で怒らせただろうかと思いつつ、俺も自分のほうのベッドに入ろうと槍を置く。そしてもう横になろうと布団をめくった時、躊躇いがちな声に呼び止められた。
「だ、だが、その……ハグを……」
「っは?」
「んん、その……いや、すまない、なんでもない」
 彼にしては珍しく歯切れの悪い言葉。やんわりと頬を染める赤が、思いがけず愛おしく感じてしまった。少し照れくさかったものの、ほら、とつい手を伸ばして抱く。
「これでいいのかよ?」
 ほのかに赤く、熱くなった顔を隠すように俺の肩にうずめて、小さく返事する。なんだか自分も熱いような気がして、なんと呼んだら良いのか分からない気持ちが湧き上がっていた。
「……ほら、もう寝れんだろ」
「ん……ありがとう。おやすみ」
「……おやすみ」


 夜が明けて、街からはもう出立していた。昨夜はパーンに助けられてしまい、その後もハグを請うなど、かなり醜態をさらしたような気がするがそれはともかく、なぜだかひどくパーンのことを意識してしまっている自分がいて戸惑っているのであった。今朝は何事もなかったようにミコト様に挨拶し、食堂にも奴らはいなかったので平穏に食事を済ませる事ができていた。しかし街を出てからの森林の探索中、私が変に意識してしまっているせいだろうがやけに彼が近いような気がして、かなり集中を欠いていた。顔には出ていないはずだと振り返りながらそう祈って、野営の見張りをする。
 ウォーレンス、と私の名前を呼ぶ声が静かに響いて、声の主を見る。交代ではないはずだが、パーンは起き上がる。考えた様子でこちらを見つめたのち、すっと立ち上がってこちらに寄り、私の隣に座るのだった。行動の意図がわからなくて戸惑っていると、また彼は私の名前を口にする。気が付けば彼は、よりこちらへ近寄って座っていた。顔を覗き込むように目を合わせて、しかしまだ何か言い淀んだままでいる彼を、どう対応するべきかわからないでいた。
「ちょっと……触っていいか」
 どうしてかと聞く前に、片手が私の腰に添えられた。いやお互いに躊躇いの時間があったので、急に勝手にそうされたわけではないのだが。
「パ、パーン……?」
 意図せず自身の心臓が高鳴ってしまう。隣の彼は私を見つめて、私の頬を撫でる。そしてその手は後頭部へ回り髪を撫でたあと、彼のほうへ、ゆっくりと引き寄せられてしまう。顔が近づき、このままでは唇同士がついてしまうというとき、私はつい咄嗟に顔を逸らしてしまった。なにかやらかしてしまった気持ちになったが、私が言葉を発する前に彼の手が離れて、彼は口を開く。
「俺も、他の男と同じ、か……?」
 心なしか落ち込んだような声が、私を伺う。からかってやりたいだとか、そういうふうじゃない。気遣わしげな、不安げな瞳は、暁の中でも美しい碧だった。
「ッ、ち、ちがう……!」
 少し驚いたのだと伝えれば、気持ちが急いてしまった、とパーンは謝罪をした。目を合わせて、パーンはもういちど、私の後頭部へ手を添える。心臓が大きく強く胸を叩くのが自分でもわかった。緊張はしつつも、今度は逸らさない。
 少しだけ、唇が触れる。そっと触れて、そしてそっと離れた。
「嫌じゃないか?」
「嫌じゃない」
 もういちど、唇が触れる。今度はもう少し長く、密着して。完全に抱き寄せられてしまって、どちらかのかもわからない鼓動を感じる。名残惜しそうにゆっくりと離れる。すごく恥ずかしくて、照れくさくて、顔の熱がおさまりそうになかった。
 パーンが立ち上がって伸びをする。辺りが少し明るくなってきて見えた彼の顔も、赤く染まっているようだった。ふいっと顔を逸らして彼が発言する。
「もう朝になるし、水を汲んでくる」
 ああ、とだけ返事をして、彼がすっと川の方へ向かって行くのを眺める。彼が戻ってくるまでに、はたまた未だ眠る2人が起きてしまうまでに、この顔の熱はおさまってくれるのだろうか。

Canna

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